2025年の地域経済はどうなるのか。景気は堅調に推移しているものの、物価高や金利の上昇が影を落とす。海外をみても心配の種は多い。新年の企業経営者の発言から、期待と不安を読み解く。
「景気は緩やかな回復傾向が続くと期待している」。9日の年頭会見で、名古屋商工会議所の嶋尾正会頭はこう述べた。自動車を中心に製造業が集積する東海地域の企業はここ数年、円安による利益の押し上げ効果もあって業績は堅調だ。経済指標も回復傾向が続き、株高も続く。回復が遅れていた中小企業に対しては、「労務費の上昇分を含めた取引価格の適正化が急務。成長への好循環へ向け、様々な課題を抱える中小への支援を行う」。
米中関係に「日本も巻き込まれる恐れが」
だが、先行きについては不安の声もある。中部経済同友会の宮崎直樹代表幹事は「昨年にも増して、グローバルな政治、経済、社会の情勢が不安定だ。先行きの見通しがつきにくいと痛感している」。
とりわけ輸出企業が多い地域…